第14章 13話
焦凍と飯田に無事に脱衣所まで連れて行ってもらい、外に出てきたは風呂の入り口の前にあるベンチに腰掛け全員が出てくるのを待っている。
刀を男湯に置き忘れてきてしまったのだ。
焦凍がすぐに取ってくると言ってくれたのだが、特に急いでないし湯冷めするのも悪いのであとで出てくるときでいいと言ったのだ。
がベンチでぼーっとしていると、爆豪が一番最初にでてきた。
顔を見るなりものすごく嫌そうな顔をされたが日常茶飯事なので特に気にしていない。
そのまま部屋に行くのかと思いきや、なぜかベンチに腰掛ける。
『部屋、戻らないの?』
爆「俺がここにいたら都合悪いのかよ」
『別にいいけど・・・』
ぽたぽたとしずくが落ちる爆豪の髪を見て、爆豪の背中を押しぐるんと自分に背を向けさせる。
爆「なにしやがんだ!!」
肩にかかっているタオルでがしがしと頭を拭いてやると、怒鳴ってタオルを没収してきた。
『やられるのが嫌ならちゃんと拭きなよ
風邪ひく』
怒られるのはわかっていたため素直にやめたのに、今度はタオルを突き出してくる。
爆「・・・・めんどいからやれ」
『・・・・・・はいはい』
まさかやれと言われるとは思わず驚いたが、ふっと笑い今度は優しく乾かしてやる。
おとなしくされるがままの爆豪に珍しい事もあるもんだと思いながらも手を動かす。
爆「・・・・・てめぇ、あの半分野郎と付き合ってんのか」
『え、半分野郎って轟君?』
いきなり口を開いた爆豪に戸惑いながらも、付き合ってないよと返す。
爆「・・・・・2回告られてんだろ」
『なんで知ってるの・・・』
爆「半分野郎が自分で言ってたんだよ
んで、どうなんだよ
あいつとそのうち付き合うんか」
少し誤魔化そうかと思ったが、いつになく静かな声音で聞いてくるので真面目に答えるべきだと判断した。