第3章 2話
そして推薦入試当日。
は筆記問題の配布・回収、実技試験及び面接部屋の準備などでばたばたと駆け回っていた。
『(えーと、筆記試験の解答は各教科の先生に渡したし、今は実技試験中
面接会場の机と椅子のセッティングはできてる
あとすることは・・・)』
ぶつぶつとしなければいけないことを持っているバインダーにはさんだ紙に書き込みながら、早歩きで歩いていると曲がり角から人がくる気配に気づかなかった。
「とっ!」
『わっ・・・』
予期せぬ方向からぶつかられたためはバインダーを落としてしまい、体もバランスを崩したがぶつかった相手がとっさにの手をつかんでくれた。
「申し訳ないっス!!
お怪我は!?」
長身の坊主頭の男の子があたふたしながらの無事を確認する。
『いえ、こちらこそよそ見をしていてごめんなさい
あなたのおかげで私は大丈夫です
あなたは大丈夫ですか?』
が無事とわかるとほっとしたように手を放す。