第3章 2話
終わった―、と背伸びをしながら時計を見るとすでに20時を回っていた。
『(はぁ・・・
もう慣れたしいいんだけどさ)』
凝った肩をほぐすように肩をぐるぐると回していると机の上に見慣れたゼリー飲料が置かれた。
相「ん、おつかれさん」
『どーも
まだ終わらないの?』
貰ったゼリー飲料を飲みながら周りを見渡せば残っているのは自分と兄だけだった。
相「・・・終わってる
終わったなら帰るぞ
仕事もないのに学校にいるなんて不合理だ」
この兄は合理的か合理的でないかで判断することがほとんどだが、急ぎのプロヒーローの仕事がない日は必ず待っていてくれる。
独り立ちをするために別々の家に暮らしているのにもかかわらずだ。
それは不合理ではないかと思うが、兄なりの優しさなのでそこは何も言わない。
『あーあー
なかなか焦凍君に会えないからさみしいよ
元気なのかなー』
帰り支度をしながらスマホを見ると焦凍から連絡が来ているのを見て、ここ数カ月すれ違いばかりで会えていないことに気付く。
相「その焦凍君ってのはエンデヴァーさんの息子だったか?」
『そう
いつも話してるでしょ?』
相「俺は直接エンデヴァーさんとは交流はないが、面倒な事には巻き込まれるなよ」
『はいはい
巻き込まれるも何もただ会って話してるだけだよ
何かが起こるはずないじゃない…』
校内の戸締りを確認し駅に向かって二人で歩き出す。