第3章 2話
『みんなヒーローになりたいだけあっていい個性ばかりですね』
無表情でぱらぱらと紙をめくる。
校長はそのの表情に困ったと肩を落とす。
校「確かに君の個性は強個性かと言われれば違うという人が多いだろう
それでも君はこの雄英高校ヒーロー科に合格し、優秀な成績で卒業をしている
それは誇っていいことじゃないかな?
実際卒業後の進路もより取り見取りだったんだよね?」
確かにヒーローになりたいわけではなかったが、最高峰と謂われる雄英高校に入学し卒業までした。
実際卒業後にぜひうちに来てほしいという声は何社もあった。
それでもこの雄英高校に残ったのは・・・
『まぁそうなんですけどね
私がここにいるのは、あの子にすごいと思われたいだけなんだと思います』
校「あの子?」
何かを察知した校長は目をきらっと光らせるが、は申し訳なさそうに自分の手のひらをみつめる。
『私のそばにいることがその子にとって心地いいものであるというのは錯覚なのに、私は何年もそのことを伝えられないでいるんです』
校長はの言わんとしていることをある程度察したため、の頭をなでてやる。
校「そこまで思い込むことはないさ
君のその個性は対象と接触していないとだめだ
離れても何度も会いたいと思い、何度も会うということはそれは個性の錯覚でもなんでもないさ」
『はい・・・』
校「あの子のネガティブなところは誰に似たんでしょうね、相澤先生」
相「・・・少なくとも俺ではないことは確かですよ」