第12章 11話
次の日、早朝から学校では調べ物をしていた。
『(あった・・・
この個性なら私の現状と酷似してる
でも最後まで気は抜けない
もし、万が一夢が現実になる個性にもかかっていたら取り返しのつかないことになる)』
相「おい、今日のヒーロー基礎学お前もコスチュームで出ろ」
朝、ぞろぞろと教師たちが出勤してくる中で相澤がを見つけると一言目にそう言った。
『・・・昨日焦凍君を私にけしかけたのは兄さんでしょ
私の体の事も聞いたんでしょ?』
相「ああ、聞いた
だからだ」
『は?』
相「お前、夢が現実になる個性にかかってると思ってんだろ」
問いではなく確信した話し方には驚きで目を見開く。
『な、んでそれを・・・』
相「なんとなくな
お前がどんな夢見てるか知らねぇがだいたい予想はつく
あいつらにもこの話をした」
『そう・・・
じゃあ言えない理由もわかったよね』
相「ああ
けどな、おそらくお前はその個性にかかってないと俺は思ってる」
『・・・・どうしてそう思うの』
相「それはお前が”自分の体に鱗が出る夢を見た”って話を誰にもしてねぇからだ」
『・・・・』
相「俺たちにも生徒たちにも、轟にすら言ってねぇってことはほぼ誰にも言ってないと思っていいと俺は考えてる
けどお前の体には普段ない鱗がでてきて悪夢を見る
ってことは別の個性にかかってると思った方が説明がつく」
はぁ、とため息をついたは降参とばかりにうなだれた。
『兄さんは探偵かなにか?』
相「ばーか
何年お前の兄貴やってると思ってんだよ」
ぐりぐりと頭を撫でられ最後に強く叩かれた。
相「お前自身もおそらくその可能性に気づいてはいたが、万が一夢を現実にする個性、”正夢”だったらって考えたら後に引けなくなったんだろ」
『もういいよ・・・
まいりました・・・』
相「じゃあ今日のヒーロー基礎学ちゃんと来いよ」