第12章 11話
一方では体の模様を焦凍に見られたことに落ち込んでいた。
『(あーあ・・・
こんな気持ち悪いの見られたくなかったな・・・)』
体中に巻きつく様に現れた鱗。
一番知られたくない人に、見られたくない人に。
日に日に夢は酷くなっている。
それは決して現実にしたくない夢。
けれど、最近は違和感を感じ始めていた。
『(最初は夢を現実にする個性かと思ってたけど・・・
ここ最近体の鱗の方が変な気がする)』
疼くような感じがする。
最初の頃よりは鱗が濃くなってきているのはわかっていた。
『(これ、夢を現実にする個性の副作用みたいに思ってたけど、よく考えたら私自身に鱗が出る夢は見ていない
なにか勘違いをしているのかな・・・)』
考えるがやはり寝不足で頭が回らない。
ミッドナイトに頼もうかとも思ったが眠るのが怖いのでやめた。
最近は一瞬限界が来て眠り、夢を見て起きると時間が全く進んでいないというのがほとんどだった。
眠れば大事な人が死ぬ夢を見る。
そんな眠りたいのに眠れないストレスと恐怖で最近は食事も摂れなくなってきている。
お腹がいっぱいになれば眠くなる。
そんな自然現象すらも怖い。
『(明日・・・もう一度調べてみよう
気になる事がある・・・)』
今日鱗がうずいたのを感じてもう一つ可能性のある個性を考えてみた。
それを明日調べようと気休めにしかならないが、目を閉じた。