第3章 2話
春になりは雄英高校の事務員に、焦凍は中学2年生になった。
は1年目という事もあり、仕事が忙しくなかなか焦凍と会えない日が続いた。
焦凍も雄英進学にむけて頑張っているらしい。
メールのやり取りは毎日しているため、焦凍からは毎日無理をするなと言われている。
相「おい
これ来年度の推薦者候補のリストだ
目ぇ通しとけ」
そう言って50枚はあるであろう紙の束を投げてきたのは、抹消ヒーローイレイザーヘッドで雄英の教師でありの兄である相澤消太だ。
『・・・人遣いの荒い事
この候補者たちの学校に推薦票を出す準備をしておけばいいんですよね?相澤せんせ?』
皮肉を込めて最後にそう呼んだのだが、本人は気にせずじゃ、あとよろしくと立ち去る。
『なんでこんなに事務員が忙しいのよ!!』
この雄英高校は教師全員がプロヒーローである。
事務員であるもヒーローとして活動自体していないが、資格は持っているため採用されたのだ。
(ヒーローネームは一応で登録してある。)
今までプロヒーロー兼教師なため事務作業まで手が回らないとのことで今回が採用されたのだが、教えてくれる人がいないのだ。
ある程度知識をつけている人には簡単な作業なのかもしれないが、は初心者だ。
右も左もわからないまま事務作業をこなし毎日残業は当たり前になっている。
校「や!先生
仕事は覚えてきたかな?」
にゅっと、机の陰から出てきたネズミのような容貌をした校長にちらっと目線を向けると、いいえとため息をはく。
『なぜ今まで事務員を雇っておられなかったのか不思議でなりませんよ』
校「まぁまぁ、今年はいい新人さんがはいってくれて助かってるよ、ほんと」
ぽんぽんと肩をたたいて笑ってくる校長に答えになってませんよと返し、先ほど兄置いていったリストに目を通す。