第12章 11話
あの不思議な夢から数日。
あれからは毎日夢を見ていた。
しかも気分の悪くなるものばかり。
そのせいか寝不足が続き、今では生徒たちに相澤先生みたいと言われるほどだ。
夢の内容は初日は腕を噛まれただけだったが、その次の日からはどんどん大切な人が死んでいく夢だった。
家族、兄、先生たち、1-Aの生徒たち。
いつも助けられず目の前で殺されていく夢。
そしてもう一つの原因が目が覚めてからもを苦しめていた。
『(くそ・・・早く対策方法を見つけないと・・・
なんで私・・・)』
寝不足でいらいらしながらも学校には来ていた。
もちろん相澤も焦凍も生徒たちも教師たちもみんな心配してくれるが、この症状になったとき個人的に夢を現実にする個性について調べてみたのだ。
その結果、夢を人に話すことでそれが現実に反映されることがわかった。
この個性になんらかの影響でかかったのかわからないが、このことを誰かに話せば誰かが死ぬ。
相澤は影響できる範囲にも限りがあるとは言っていたが、どこまでの範囲が影響されるのか正確な情報はなかった。