第12章 11話
帰宅後、通常通りにご飯を食べたり風呂に入ったりしてあとは寝るだけとなった。
先におやすみと焦凍からメールがきていたためそれにおやすみと返信し布団に入る。
『(うわ、今頃今日やっといたほうがよかったこと思い出した・・・
明日朝一でやろ・・・)』
目を瞑り眠りに落ちていった。
『(あれ・・・?)』
ふと目を覚ませばあたりは一面真っ黒で自分の体以外何も見えなかった。
『(夢・・・っぽいね
あんまり見ないし見ても覚えてない事の方が多いはずなんだけど・・・)』
夢だと確信したのはお約束ではあるが、自分の頬をつねってみて痛くなかったからだ。
この真っ黒な夢はどうすれば覚めるのかと、取り敢えず歩いてみることにした。
『(退屈な夢
見るならもう少し楽しい夢がよかったな)』
あてもなく歩き、どこまで行っても何も見当たらない。
『(あ、なんか光ってる)』
目をこらせば遠くにわずかに光る物体が見えた。
そちらに足を向けようと思ったが、その光はものすごい速さで近づいてきていた。
『(なんだあれ・・・!)』
武器もないので取り敢えず一回目は避けた。
見たところその光は蛇の形をしていた。
何度か避けれたが、最終的に右手首を噛まれてしまった。
驚いたのは先ほど頬をつねったのは痛くなかったのに、噛まれたときは痛みを感じた事。
噛まれた後は蛇を引きはがして、放り投げると蛇は動かなくなり消えた。
『(今のは・・・
嫌な予感がする・・・)』
噛まれた痕を見て、どうするべきかと考えた。
その後すぐに目覚ましの音で現実世界に戻ってきた。
『(やっぱり・・・)』
起きたとき冷や汗で服が張り付いていたのと、夢で負った蛇の傷が右手首に残っていた。
これは普通の夢とは違うなと思い、すぐに相澤に連絡をした。
相「どうした
こんな朝っぱらから」
『ちょっと聞きたいことがあるんだけど
夢が現実になる個性ってある?』
相「あ?ああ
まぁ聞いたことはあるな
ただ所詮は夢
現実にできる規模にも限界がある
あまり危険性のないものだったはずだ
急になんでだ」
『いや・・・
危険じゃないならいい
ありがとう』
電話を切り自分の右手首を見つめ、この程度の怪我であれば大したことはないかと数日様子を見ることにした。