第3章 2話
焦「俺は・・・
そういうのまだよくわかんねぇし、今のところは恋愛とかめんどうだからいいかなって思ってる」
『そっか』
複雑そうな顔をする焦凍にこの話題は今後出さない様にしないとなーと心の中でメモをする。
焦「は・・・?」
『ん?』
焦「はそういう相手いねぇのか?」
このままこの話は終わると思ったのにまさか聞き返してくるとは思っていなかった。
ただ、焦凍が真剣な顔をしているのでちゃんと答えなければと思う。
『私も焦凍君と一緒かな
今はそういうのより来年度から雄英高校の事務員としてちゃんとやっていけるかなとか、今日の夜ご飯は何食べようかなとか、兄さんのゼリー飲料はまだ残ってたかなとかのほうが大事』
焦「そ、そうか」
素直に自分の意見を告げたのに、嬉しいようなしゅんとしたような複雑な顔をしている。
『大丈夫?』
焦「大丈夫だ
それよりさっき言ってた俺がかわいいってなんだ?」
首をこてんと傾げてまっすぐにを見つめてくる。
『自覚がないってのが重症だね
そのあざとい首かしげもこの手も、あ、顔ももちろんかわいいよ』
焦「首・・・手・・・顔・・・」
深刻な顔になった焦凍に”そういうところが天然でかわいいよ”と伝えればさらに意味がわからないようで首をかしげる。
繋がれている焦凍の左手を両手で包み込みくすくすとが笑う。
『甘えただもんね?』
焦「・・・・・・・・にしかしてねぇ」
むすっとした顔で少しをにらみつけるがそれすらもかわいく見えて全く怖くない。
『いいんじゃない?
甘えてくれるのはうれしいよ』
焦「そうか・・・」
の手を握る力が少し強くなり、照れた顔を隠すようにマフラーに隠れてしまった。
『そういうところもかわいいよ、焦凍君』
焦「・・・・・・・・・・うるせぇ」