第10章 9話
のやりたいことがわからない飯田と緑谷は首を傾げているが、焦凍はなんとなくわかったようで”今回だけな”と言っている。
『では・・・』
飯「!?」
緑「!?」
「「「!?」」」
ぎゅー、っと力強く飯田に抱きついてきたに焦凍以外が驚いて声も出せなくなっている。
飯「あ、あの・・・」
『どう?
落ち着いた?』
飯「え?」
あわあわしていた飯田だが、にそう言われふと自分の体を見ると立てるようになっていることに気づく。
飯「まさかこれ・・・」
『そ、私の個性
次、緑谷君ね』
緑「え、ええ!?」
問答無用、と抱きつかれた緑谷は顔を真っ赤にしながらもの個性でちゃんと立ち上がれるようになっていた。
『最後、轟君ね』
焦「ああ」
いつものように抱きしめれば焦凍はの背中に手をまわしてくる。
『お疲れ様
よく頑張りました』
焦「・・・おう」
離れる前に頭をぽんぽんと撫でてやると、焦凍もすっと立ち上がった。
「なぁあんた、そんなことできるなら俺たちにもやってくれないか」
まだ腰の抜けているプロヒーローが立ち上がりたいので、に頼むが焦凍の後ろに下げられる。
焦「こいつは俺たちのクラスの副担任です
ヒーローじゃありません
それにキャパは3人まで
もう使えないんです」
緑「(轟君てばうそつきだね)」
の実際のキャパは緑谷は知らないが、顔を見れば不機嫌そうなので嘘をついて他の人に抱きつかせない様にしたのがわかる。
『まぁもともと3人以外にするつもりなかったよ』
焦「ならいい
ところで背中切られただろ
大丈夫なのか?」
焦凍を庇った時に少しだけぴりっとした痛みがあったのを思い出し、見てくれと焦凍に背中を見せる。