第3章 2話
『聞いてもつまんないよ、私の個性なんて
大して役に立たないんだから・・・』
この話題を出すといつもは元気がなくなる。
焦凍はそれに気づいてはいるが、そんなに人に言いたくない個性なのだろうかと逆に気になってしまっている。
焦「別に言いたくねぇなら無理にはきかねぇけど・・・」
『そんなことよりさ!焦凍君、氷出してー』
暗い雰囲気を吹き飛ばすように笑ったは手を焦凍に向けて出している。
暑いのだろう。
少し顔が赤くなり、汗をかいている。
焦「ん」
『わ―!ありがとう!』
手のひらサイズの氷を出してやりに渡すと顔や首筋にあてる。
焦「もっと冷気出すか?」
焦凍の右側に座っているとはいえそんなに個性を使っていないから涼しくはない。
むしろの様子を見ていると普通に暑そうだ。
『いいよいいよ
この氷だけで十分!』
焦「ならこれは?」
焦凍は自分の右手に冷気を纏いの頬にあてる。
一瞬驚いただが、心地の良い冷たさに目を閉じて焦凍の手にすり寄る。
『これいいね』
焦「そうか、ならよかった」