第8章 7話
このトーナメント中はあまり口を出さないでおこうかと思っていたが、先ほどの焦凍の様子が気になったので一応控室に見に行くことにした。
『(せっかくお母さんに会いに行く気になってくれたのに台無しにされたら嫌だもんね)』
松葉杖をとり階段をよいしょと上がっていくをA組の全員が見送っていたことに気付かないまま行ってしまった。
切「先生爆豪の体操服着たままどっか行っちまったな」
爆「どーせ便所だろ」
蛙「爆豪ちゃん、他に言い方あるでしょう」
上「でもよー、俺爆豪が優しいとこなんか初めて見たぜ!
お前にも人の心があるんだって感動したわー」
爆「ああ!?」
先ほど爆豪が寒いと言ったに対してすぐに上着を貸した事は彼の性格を知るクラスメイトからしたら驚愕でしかなかった。
芦「確かに!!
絶対自分の服なんか貸しそうにないのに・・・なんで?」
爆「な、んでって・・・そりゃあいつが寒いつって俺が寒くなかったからだろ」
上「いーや、それでもいつもの爆豪なら上着は貸さないね」
爆「てめえはさっきから何が言いてぇんだアホ面!!」
上鳴の胸倉をつかみ殴りかかろうとする爆豪を数人がかりで止める。
上「いや、だってお前先生のこと好きなんだろ?」
爆「は?」
予期せぬ発言をした上鳴の言葉に力が緩んで思わず胸倉を離す。
爆豪は言われた意味がわからず呆然としている。
葉「ええー!?
それまじで!?」
耳「先生と生徒とか禁断ものじゃん!」
女性陣は勝手にきゃーっと盛り上がり始めている。
緑「かっちゃんが先生を・・・」
麗「まじか・・・」
呆然とする爆豪をよそに確かにいつもと感じが違っただの、怪我をしたとき優しかっただの、を見る目が優しいだの好き勝手に言い始めた。
飯「し、しかし付き合う相手が先生となると世間の目があるのでは?」
真面目な飯田はもうすでに付き合った後の話までいってしまっている。