第2章 『先輩』じゃなくて【ケイ監】※微裏(仮)
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日が変わりまた憂鬱な学校が始まる。
でもユウに会えるのなら、と思い体を起こした途端———
いるはずのない彼女。驚くオレ。
「さぁ、今日は何の日でしょう?」
「オレたちの2ヶ月記念日、だよね?」
えへへ、正解。とはにかむユウをたまらず抱きしめる。
「ケイト?」
「朝髪下ろしてるからかっこ良くない…あんま見ないで」
「そう?私は好きだよ」
あ〜あ…敵わないなぁ…
「あっ!今日は早く学校行かない?」
「?珍しいね」
そう。いつもは間に合うけど少し遅めの時間に登校している。
付き合っているのがあまりばれたくないユウのため…
だけど早く行くって…
「——ユウ。ちょっと後ろ向いて座ってくんない?」
「ふふっなんか怖いなぁ」
素直にちょこんと座るユウの髪は綺麗に編み込まれている。
そしてそっと、あるモノを取り出す。
「ね、ユウ。せっかく綺麗に編み込んであるんだけど触って良い?」
「うん?良いよ」
「………っと。ユウが気に入ってくれると嬉しいんだけどな」
「—!」
彼女の髪に、オレンジモチーフの髪飾りを付けた。
オレンジの香水をつけているユウにぴったりかなって、オレらしくもなく手作りなんてしちゃって。
………あれ?重くね?オレ…
「ごめんユウ…オレ重くな———」
「…っ…そんなわけないじゃんっ………」
「っ…ははっ…彼女を朝から泣かせちゃうなんてオレ彼氏失格じゃん?」
「ばかっ…、」
「…準備すぐ済ませるから少し待っててくれる?」
安心を誤魔化すように言うと、こくんと頷いてユウが俺から目を背ける。
着替えぐらいどうって事ないのになぁ…
「———おまたせ。行こっか」
「…うん!行こうっ」
——あれ…?手を握ったまま、学校についてしまう…
「ユウ…学校着くけど手離さないの?みんなにバレるんじゃ…」
「い、いいの!」
そういって頬を赤く染めるユウが愛おしくてたまらない。
誰が見ているとか関係なく抱きしめて、オレのものだって言いたい——けど。
「じゃあまたお昼に…」
「———ユウ」
「何?っ……」
「じゃ、またお昼ね?」
「〜〜…」
『…ほんと、ずるいなぁ』
別れ際、彼女に渡したあるモノ———
何かは秘密、だけどね。
fine