サバイバーに裏切られたのでハンターになって復讐しようと思う。
第31章 試合★
「うああああああっ!!!」
サーベルを投げ捨て、叫びながらノートンに襲いかかる。
「な…っ!?」
「ふざけんなふざけんなふざけんな、お前らはいつもいつも誰かをを傷付けて、誰かの可能性や道を塞ぐばかり!!誰かのためを思った行動は出来ないのかよ?自分に得が無かったら何も出来ないのかよっ!?イソップはお前みたいなクズでも、助けようとしたんだよ!
お前たちのような哀れなクソサバイバーには思いやりなんてできないってか?」
「夏葉、さん……」
「謝れよ……イソップに謝れよ」
なるべく冷静にノートンに言う。
「はっ。お前こそ、哀れなサバイバーの一人だろう?何を勝手に熱くなっているんだか」
ノートンの頬をありったけの力で殴る。
「私をお前たちと一緒にするな!!私はお前たちのように腐ってなどいない!」
「そうだ……夏葉さんは哀れなんかじゃない。可哀想なのはお前だ、ノートン」
驚いてイソップの方を見る。だって、イソップの声はいつもとは全く違う、恐ろしい低い声だったから。
「僕は別に、何をされたって良いんです。他の人に危害が及ばないのなら、喜んでターゲットにだってなりましょう。ですが、僕にだって我慢の限界があります」
もし僕に我慢の限界が来たら……とイソップが続ける。
「この荘園のサバイバーを全員まとめて、棺にぶち込む。分かったか?」
普段のイソップからは想像が出来ない、どすの効いた声で言い放つ。
「「………っ」」
これにはノートンもデミも恐怖を覚えたのか、無言になった。
そんな二人にイソップは近付き、まずノートンの髪の毛を掴み上げた。
「分かったかって聞いてんだよ」
「わ、かりました」
イソップがデミを睨むと、デミは泣きながら分かった、分かったから許して、と、謝罪の言葉を連呼していた。
その光景に私は、少なからず恐怖を感じた。
「……ですって、夏葉さん。…僕のために怒ってくれて、ありがとうございました!おかげで僕も日頃の不満をぶつけられました!!」
「……それは、良かった。…怖かった………」
私が床に座り込むと、イソップが怖がらせてしまってすみません!といつもの調子で言ってきた。
いつもは優しいけど怒ると怖い人って、イソップみたいな人の事を言うんだな……。