サバイバーに裏切られたのでハンターになって復讐しようと思う。
第29章 そんなの聞いてないってば!
「またマリーはんはジャーキー勝手に添えて!もう!美味しいからええけど」
「ふふ。わざわざ生の牛肉から一週間かけて作っているんですもの。美味しいに決まっているわ。」
美智子さんのこの反応は、前から知っている感じだな。
前から作ってるのかww
「……夏葉。食べ終わったら、僕も一緒にリッパーの部屋に行ってもいいかな?リッパーが心配だ。」
「…っ!もちろんだよ!きっとジャックも喜ぶ!」
私が熱を出したとき、お見舞いに来てくれたのがナイチンゲールとイソップ君、ナワーブだけだったのを思い出す。
ハンターの中は争い…仲間割れがなくて、みんなが協力しあっている。
とても、居心地が良い。
サバイバーは、常にみんなが争ってた。人数が多いから、その中で自分が落ちぶれないように。
常に、一番下を決めてその人を見下して、自分は大丈夫だ、強いんだと自分に言い聞かせるみんな。
私がみんなに意地悪されてたのは、そのせいだ、きっと。
協力して脱出をする立場なのに。今考えると、凄く悲しい。
「夏葉?どうしたの?手が止まってるよ」
「あ、えっ?ごめん、考え事してたっ!」
「ううん、平気。もしも悩みとかがあるなら、僕に話してね。いつでも相談に乗るから。」
ジョゼフの優しさが心にしみる。
やっぱり、サバイバーはあのままじゃ駄目だ。
常に見下されてきた私が居なくなったことで、今は違う誰かがターゲットになっているのだろう。
サバイバー全員に分からせてあげないと。
人はみんなみんな対等だってこと。
私はもう、人ではないから、どうしようもない。
私はただの成り下がった怪物だ。