サバイバーに裏切られたのでハンターになって復讐しようと思う。
第28章 図書館
図書館に入るのは、これが初めてだ。少し楽しみ!
「失礼します。」
誰も居ないであろう図書館に挨拶をする。
一目見たときに、私が思ったこと。それは……。
「広い…綺麗……」
ただただ、落ち着く場所だった。朝だからかなり暗かったけれど、宝石のようなものが微かな光に反射して、キラキラと輝いている。
これが、何もないただの暇潰しだったら長居していただろうが、今は長居している場合ではない。
「……夏葉さんか」
誰も居ないと思っていたのに、いきなり声をかけられてビックリする。
暗いから、お化けかもという思考も出てきて足がすくんだ。
「ああ、ごめんね。怖がらせるつもりは無かったんだけど。こんな早朝にどうしてここに?」
声の主の方に顔を向ける。謝必安さんだ(白黒無常の白)。
「あ、え、本を借りに…ジャックが風邪だし、私もする事ないしで…。」
「なるほど。どういう本を探してるの?場所は熟知してるから、教えてあげる。」
謝必安さんが笑顔で聞いてくる。これ、言って大丈夫なのかな。まず、あるのかどうかも分からない。
ジャックのオーダーを聞こう。
「芸術系統の本ってありますか?あの、絵画だったりとかの。」
「うん、あるよ。おいで。」
謝必安さんに手を引かれて、図書館の奥の方へ誘われる(いざなわれる)。
「わぁ、色とかの本たくさん!」
「うん。もし書道とか剣道とかの本が読みたいときは、范無咎に聞いてね。彼はそういうものが好きだから。」
「はい!ありがとうございました、謝必安さん!」
にこりと優しく微笑んだあと、屈んで距離を詰められる。
唇に指をあてがわれて、顔が熱くなる。
「僕にも范無咎にも、敬語は要らないよ。じゃあね、夏葉。」