サバイバーに裏切られたのでハンターになって復讐しようと思う。
第26章 待って待って
「そーなの!?いつ?」
「周年祭ですよ。その日だけは、パティシエとして菓子作りをするんです。」
「ジャックがお菓子かぁ…」
何となく想像してみる。
あのパティシエの衣装でるんるんしながらクッキーを作っているジャックが鮮明に想像できて、つい吹き出してしまう。
「ふっ、はははは!」
「なっ…笑わないで下さいよ!」
「ごめ、面白くなっちゃって……っww」
私が爆笑していると、ジャックの顔がいきなり近づいてきた。
そして、口づけをされる。
だが、それはすぐに、ちゅっ、という音をたてて終わってしまった。
「きゅ、急に何するの!!」
「いえ、少々……。」
そう言って、また洗い物を再開するジャック。なんなんだろう、と思いつつも頑張ってお皿をふく。
ハンターのみんなは体が大きい分いっぱい食べるので、お皿も大きい。
ガラス製で分厚く、かなりの重量があるので、落とさないように持つだけでも精一杯だ。
私がエッサホイサとお皿を拭いていると、ジャックにお皿を取り上げられた。
「あっ」
「貴女は、そこの椅子で休んでいて下さい。 そのうち落としてしまいそうで、見ているこっちがひやひやします。」
「……はぁい…」
多少落ち込みながらも、後ろにあった高めの椅子に座ろうとする。
ジャックの部屋の椅子よりも少し高くて、上るのに苦戦していると、ジャックにひょいと持ち上げられ、椅子に乗せられる。
「あ、ありがとう!」
「…いえ。ここの椅子は、貴女には高いですからね。食堂では貴女専用のテーブルと椅子がありますが…。使ってませんよね。」
「みんなと食べたいもん。」
ジャックがそうですね、と笑って洗い物をする。
なんだかジャック、さっきから具合悪そう。
「ジャック、具合とか大丈夫?」
「?全然平気ですよ」
そう言いながらも、先程より足元がふらふらしている。
「ねぇ、心配だよ。熱、計ろ?」
「結構です。私は大丈夫です。」