サバイバーに裏切られたのでハンターになって復讐しようと思う。
第26章 待って待って
「んっ!バジル?みたいな味がして、なんか美味しい!!」
「ならば良かった。」
横から人の声がする。声のした方に顔を向けると、そこにはベインさんがいた。
「い、いつの間に!!」
「さあな。……食え。」
「はい!」
ベインさんに肩をぽん、と叩かれる。
「…?なんでしょう?」
「敬語はいらん。名前も、さん付けしなくていい。」
「………っ!!うん!」
それだけ言うと、ベインさんは手を振って部屋に戻った。お皿洗いは、昨日姿をくらませた罰で、ジャックがすることになった。
私は、ジャックの手伝いをしていた。そういえば、ジャックが料理当番になってるの見たことないな。料理当番表にも載ってないし。
「ジャックは、料理当番にはならないの?当番表にも載ってないし。」
「ああ……かなり前に、オーブンとコンロを壊してから厨房……ここでの料理を禁止されました」
「……なにしたら壊れるのよ…」
「あの時は使い方がよく分かっていなかったもので。オーブンにマッチを燃やした物を入れたら火事になりかけましたね。そして、フライパンを使わずに肉を焼いて、肉が大炎上しまして。」
「馬鹿!!!」
ジャックがふふ、と笑う。いや、笑い事じゃない。もはや、その考えが間違っているとも思っていない様子だ。
「まぁ、今は貴女の口に合うような料理を作れるようになりましたし。良しとしてください。」
「まぁ、ねぇ……。今はすっごい料理上手だから、まさかそんな過去があるとは思わなかったよ。」
「あぁ、ですが、私もここを使うときが一年に一回ありますよ。」