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サバイバーに裏切られたのでハンターになって復讐しようと思う。

第12章 ただの夢


「ジャックがね、次々に女の人をころしていっちゃうの。体の内臓とかも取り出してて、周りに飛び散ってて…。みんなには切り裂きジャックって呼ばれて恐れられているような人だったの」

「……そんなもの、ただの夢ですよ。夢に恐怖する必要はありませんよ。」

正直、この時点で「終わった」などと考えていた。きっと夏葉は切り裂きジャックのことを恐れているだろう。その切り裂きジャックの正体が私だと言ったら嫌われてしまうことは、間違いないだろう。

いいや、ここまで鮮明に話を切り出しているのだから、きっと私が切り裂きジャックだということ自体がバレているだろう。

「ク…ジャ………おーい!!ジャックー!」

「わ…」

「もー、聞いてるの、ジャック·ザ·リッパーホワイトチャペル·マーダーさん?」

よく覚えてんな。すげえわ。(キャラ崩壊)

「切り裂きジャックの夢を見たっていうのは嘘で、もともと切り裂きジャックの事を知っていたの!」

「そう、ですか。」

「それでねそれでね!!ジャックが切り裂きジャックだって、一瞬で分かったの。役職名はリッパーで、名前がジャックだったら誰でも分かる気もするけど」

「そうですね。……嫌いになりましたか?」

「?何言ってんの、嫌いになるわけないじゃん。ほんとに話聞いてなかったんだね…」

「すみません………」

夏葉は、殺人鬼に向けるべきではないような、憧れや期待のこもった瞳をこちらに向けて言った。

「ジャックに聞きたいんだ!どうやったらあんなにキレイに、素早く効率よく殺人が犯せるのか!

「……は?」

「私ね、ミステリー小説を書くとき、一番最初に思いついたのが貴方で、貴方の小説を書いたのよ!でも、犯行の手順とかが分からないから、薄っぺらい小説しかかけないの。内容のない小説」

それにね、と夏葉は続けた。

「パパとママがね、小さいときから私に切り裂きジャックの話をしては絶対にこうなるなって言ってたの。
でも、大嫌いな、痛いことをしてくるような両親の言うことには逆らいたかったのよ。
だから、さすがに人を殺しはしなかったけど、切り裂きジャックに憧れていたの!」

彼女は、やっと会えた俳優の前で興奮しながら話すように言った。
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