サバイバーに裏切られたのでハンターになって復讐しようと思う。
第37章 私のために争わな((以下略
「…夏葉さんは、鼻と耳が利くんでしたっけ?」
そうだ。そうじゃないと他のハンターに明らかなる遅れをとるし。
「そだよ」
「ううむ…臭い場所は無理ですか?」
「…下水道、かぁ……」
ここに来るまでの道で一番の近道は下水道を通ることだ。
だがそこは、とにかく臭い。
私も昔、道に迷って落ちたときは気絶しかけた。
というか、何度も吐いた。
鼻がいいことも相まって、その後数日間は吐き気と頭痛がしていた。
「ちょっと無理かなぁ…」
「ですよね…フィオナさんのワープ!!」
「今の私、サバイバーとしてもハンターとしても不十分だから、どうなるか分からない」
「おっし任せろ。玄関の壁壊してやる」
ナワーブが言う。
おい!!修理大変なんだぞ!!
「やめなさい!まず、なんで君たちが私がハンターになるのを阻止しようとするの!?他の人たちも妙に協力的だったしさぁ!!」
「だから、君を死なせないためだって」
「死ぬけど死なないから!ハンターとして生まれ変わるだけでしょう!?」
「ぼ、僕たちは、夏葉さんには生きてて欲しいんです!!無機質なハンターには、なってほしくない!!」
ハンターになっても私は私だ。無機質にはならない。なんなら、ナイチンゲールが、『貴女はハンターになっても半死半生よ』とか言ってたし。
「とにかく、ここから出るぞ!!」
ナワーブのかけ声と同時に、ドアがぶっ壊れた。
いつの間に……!?
どうやら、私の意思や意見は求めていないらしい。
「ねー、このまま山下ったりとか出来るのかな~?」
「重く罰せられるけど、一応頑張ればいけるよ」
「そーなん…だっ!!」
イライと話をして少しナワーブの気を反らした隙に、思いっきり腕の中から出ようとする、が。
「おいお前グルカ兵!!腕の力強すぎんだろ!!全く出れない!!」
「あたりめぇだろこれから走るんだから」
あっ(察し)
せめて、ゆっくり走ってほしいなぁ。
後ろから、パタパタと走る音が聞こえる。
「ナワーブ、来てるよ?」
「あぁ、分かってる。イライ、イソップ。3.2.1で飛び出してくれ。囮を頼む。その隙に俺らは逃げる」