第3章 IFストーリー 魔王と蝶の湯煙温泉旅
このストーリーは第25章以降のIFストーリーとなっています。それでは、張り切ってどうぞ!
場所は安土城の大広間。事は、皆で揃って朝餉を食べている時に起こった。
「…安土の皆さんで温泉に行くんですか?」
しのぶは秀吉によって話題に上がったその話に疑問を浮かべた。
「ああ、先の戦いで傷を負った者も多くいるしな。皆で行こうと御館様のはからいだ。」
そう言うと、秀吉はニコニコと笑顔になった。
「…へぇ…いいんじゃねぇか。ゆっくりと休めそうだ。…所で、温泉って事はやっぱり混浴だろ?…なぁ、家康?」
ブホッ…!!
しのぶの近くに居た家康が飲んでいた味噌汁を吹いた。
「げほっ…げほっ…あんた、何を言って…!!」
家康は顔を赤く染めながら政宗をジロリと睨んだ。それを見て、政宗はニヤニヤとからかうような笑みを浮かべた。
「ほぅ…俺は別に混浴と言っただけだぜ?……一体何を想像したんだ、ん?」
「…ばっ…!…っ別に、何も!!!」
政宗は一層ニヤニヤとした顔を家康に向けた。それを見ていた、家康は焦りながらも明後日の方向を向いて叫んだ。その様子を見ていた、しのぶは疑問を抱きながら、家康に話した。
「…家康さん、汚いです。ちゃんと拭いてください。」
そうしのぶが注意する様に呟くと家康はチラッと彼女を見て、また明後日の方向を向きながら呟いた。
「…ごめん、気を付ける。」
その家康の様子を武将達はニヤニヤしながら見ており、朝餉が終わったらからかってやろうと考える者も居た。…因みに、以下二人は別だが。
「…家康様、大丈夫ですか?火傷はしておりませんか?」
純粋に家康を心配する三成。そして、…。
「家康、あれほど食事中は余所見をするなと言っているじゃないか。…ちゃんと、俺の話を聞いてるのか?」
まるで、子供に叱る母の様に家康に説教をする秀吉に一同は笑いが抑えられなかった。
「…クックッ…家康、貴様も大変だな。何方も困った兄と弟だな。」
信長が家康をからかうようにニヤニヤと笑う。
「…こんな兄弟は絶対に嫌です。それと、三成お前はちょっと黙ってろ。あと秀吉さん、そんなに俺のすること成すことにいちいち注意しなくていいですから。……はぁ。」
家康は自分の心情を理解していない二人に呆れながらも、この二人に知られたら面倒だと思い余計な事は口にしない様にした。