第73章 あえて話す理由

Kaori『わかった。』

そして、そんなKaoriに、私は改めて理由を説明する。

Ｌ『今までの月君の考え方や、やり方。そして、対応の仕方を考えると、まず間違いないと思います。何より今黙って考えているのが、その理由です。』

Kaori『そう言えば、さっきから、黙って考え込んでるみたいだね。月君なら、わたし達が話してたら、すぐ会話に入ってきそうなのに。』

考え込んでいる夜神月を見ながら。Kaoriが改めて不思議そうにそう言った。

Ｌ『はい、なのでそれが理由です。ただ、先ほどナオミさん達の所に持って行った、例の原稿を流す準備も、そろそろ出来ているはずです。』

Kaori『そしたら、もうそろそろ、ナオミさん達に合流した方が良いかも知れないね。』

Ｌ『ええ、なのでそろそろ月君にも、戻って来てもらいましょう。』

Kaori『？ どうするの？』

そう聞いてきたKaoriに、Ｌは、微かに笑みを返した後。改めて、月に声をかける。

竜崎『月君。先ほどから、何か考え込んでいるようですが、私達の事意外に、何か気にかかる事でも？』

そう声を掛けてきた竜崎の声で、僕は自分が黙って考え込んでいる事に気付き、ハッとした。そして、あえて、こう説明する。

月『ああ、悪い。いや、さっき書いた原稿と、第二のキラに付いて、改めて考えていただけだ。上手く第二のキラが騙されてくれれば良いけど。

実際に第二のキラが、どう動くのかは、まだわからないからね。色々なシミュレートをして置かないと。いざという時、動けない。』

月は、口ではそう言いながら、頭ではこう考える。

月「香織の事は気になるが…。今は偽キラがどう出るのか見極めるのが先だ…。メッセージで死神の目の話しを出しているだけに…。どう動くのか…。

そう言えば、いつの間にリュークは戻って来たんだ？ 僕が考えている間、姿は無かったな。全く、肝心な時にフラフラするな…。」

そんな月を気にする事なく、リュークが言う。

リューク『月、ここ広いな。さっき色々回ってる時、旨そうなリンゴを見つけたから、後でくれよ。』