第2章 烏養繋心
「じゃ、俺たちそろそろ帰りますね」
「おう。今日は本当にありがとな。お前らには感謝してる」
「バレーとひののためですから」
「気を付けて帰れよ」
「はい。お疲れ様でしたー」
戸が閉まりふぅとひと息ついた時、すぅーっ戸が開いた。
???
西谷さんだった。
「烏養さん、あとで俺の恋愛相談にのってもらえますか?」
「おぉ、分かった」
「じゃ、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
カラカラと音を立てて戸が閉まったと思ったら、すこーしだけまた開いて西谷さんの顔半分だけが見えた。
「烏養さん、無理はダメですよ。ほどほどに」
「「………」」
「あいつ俺を年寄り扱いしてんのか?」
「どうだろう?」
「あーーー、とにかくどうなることかと思ったがあいつらいいやつで助かったな」
「うん」
「さ、明日からも今まで通りに過ごせる事に感謝だな」
「うん」
「さ、飯食って寝るか。ひの今日は早く寝れそうか?」
「うん。宿題そんなに多くないし」
「なぁひの。今日はおふくろお隣さんちに行くって言ってたんだよ。
だからさ、なっ?」
「なっって?」
「なっって言ったら分かるだろーよ」
そう言って商品棚の陰に移動させられてキスをされた。
「繋心?」
「今日はいつもより気ぃ使わないでOKだぞ。声も我慢しなくていいし」
「で、でも…。ほらさっきも西谷さんにほどほどにって言われたばかりでしょう?」
「なんだ?ひのはほどほどで満足できんのか?できるんなら別に俺はいいんだぞ、ほどほどでも」
「……いです…」
「ん?」
「できないです‼︎」
「じゃぁ?」
「全力でお願いします」
「かしこまりました、お嬢様」
この日は、いつもより熱く、でも優しく繋心に愛されたのでした。
バレー部員の皆さんのおかげで繋心の欲に火がついたかな?