第2章 烏養繋心
「もー、スガさんってば面白い事言いますねぇー」
ははっ…
「あとさ、ひのって微かにだけどタバコの匂いがする事あるよね」
「そうですか⁉︎」
「烏養さんといつも一緒にいるから匂いが移ったのかと思った」
「そんな言う程一緒にいないですよ。ねぇ烏養さん。でも、タバコの匂いがするって言われるのはイヤだな…」
「よくひのが抱きついてくるからなぁ。そうゆう時に付くんじゃねぇか?」
「そ、そんな事しません‼︎何言ってるんですかもうー」
「別に照れなくてもいいんだぞ」
「て、照れてません」
ごまかすために冗談で言ってるんだろうけど、心臓に悪い。
「お前がタバコ臭くなったらまずいだろうからこれからは少し離れるか」
「そうですね‼︎あと、抱きつくのも控えますね‼︎」
「あぁ、そうしてくれ」
私と繋心のやり取りに爆笑するみんな。
「ひのちゃん振られたな」
「ひの可哀想に」
「別にショックじゃないですから。ほっといてください」
「ひの、抱きつきたかったらいつでも俺んとこ来ていいからな」
「スガさん…優しい」
「俺もいいぞ。ほら、ドーンと来い‼︎」
と、どこからか湧いて出た田中先輩が両手を広げている。
「田中先輩…ありがとうございます。でも今は…」
「お前らいつまで休んでんだ。さっさと練習始めろー」
繋心の一声でみんな一斉に動き出した。
ふぅーー、どうにか大丈夫だった。
こんな感じの事がこれからも続くんだろうな。
私が卒業するまで乗り切れるだろうか。
ってまだまだ先は長い。
ため息をつき仕事に戻ろうと後ろを振り返るとすぐ後ろに月島くんが立っていた。
「ビックリしたぁ‼︎どうしたの?練習始まってるよ」
「ひのさ、本当のところどうなの?」