第1章 田中龍之介
こうして私はめでたく田中先輩の彼女になれました。
田中先輩は私が他の男子と話してるとものすごい色のオーラを出しながら近づいてくる。
バレー部のみなさんはそれを面白がってワザと私に声をかけてくる。
「ひのーーー」
「ひのちゃーーん」
「ひの、今日はまた一段と可愛いな」
部長さんまで…
「大地さん、ひのの事を褒めてくれるのはありがたいですが他にも可愛い女子はいますから。ひのだけはやめてくださいよ」
「ダメか?」
「ダメに決まってるじゃないですかー‼︎」
「そうか、ダメか」
「なんなんすか、みんなして。マジでひのに手出さないでくださいよ‼︎ひのは俺の大事な大事な彼女なんすから」
田中先輩…ちょっと恥ずかしいです…
「ひのも、ちゃんと危機感感じろよ。男はみんなオオカミだからな。この人たちも例外ではないぞ」
「お前がゆうなよ」
「そうだそうだ、お前が1番危険だろうがよ」
「なんだとコラ」
「ひの、こいつはオオカミの皮をかぶったオオカミだからな。気を付けろよ」
ハハッ
「私、田中先輩がオオカミならぜんぜん怖くないです。なんならどうぞ食べてくださいって感じです」
「「‼︎⁉︎」」
ん??皆さんが固まったけど…どうしたんだろ?
「ひのちゃんダイターーン‼︎」
「た、食べ、食べるって⁉︎」
「龍、お前だけいい思いしてずるいぞー」
「田中?おーい」
「ひのがひのが、た、食べてって、い、言ってる。
いいのか?いいのか?食べてもいいのか?」
田中先輩が何かブツブツと呟いている。
私なんか変なこと言ったかな?
「先輩、今日も頑張ってください‼︎」
「お、おう。頑張るからちゃんと見とけよ」
「はーい」
今日も先輩と一緒にかーえろっ。
先輩、今日も明日もこれからもずーっと大好きです‼︎