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名もない物語

第6章 【ニャパラッチ】


「『小判。猫又社。週刊三途之川専属記者』何の用ですか。貴方は報道部ではないでしょう。ゴシップ誌に会見する事は一つもありませんよ」

「イーエイエ。そんな堅苦しいもんじゃございません。『鬼灯様の密着取材!』い~でしょ?やらせてくだせぇ」

ゴロゴロと喉をならしながら鬼灯の足へすり寄る。

「もう密着してますが……」

「それとも猫はお嫌いですかい?」

「…いえ、猫は好きなのですが……うち、金魚いるから……」

「そんな小学生が猫拾った時のよーな反応せんだくだせぇ」

「そんなに話題が欲しいのなら奪衣婆のヌードでも載せればいいでしょう」

「投げやりにも程がある提案せんでくだせえよ。むしろホラーでしょ」

頑なな拒否にも喰いついていく小判。

「頼んますって、そのご面相なら巻頭もイケますって!」

「貴方、いささかおべっかが過ぎますね」

「イーエイエ、民衆はみ~んな鬼灯様が好きでさァ!」

「さあ、どうでしょうね」

「ねー、お姿だけでも撮らせて下さいな!」

「ダメです。あ、失礼」

ピピピピピピ、と鬼灯の携帯が鳴る。

「お邪魔はしませんから!ねっねっ」

ニャーニャーと既に邪魔をし始める小判に、とうとう鬼灯の方が折れた。

「わかりましたよ。ちょっと静かにしてください。…ハイ…ハイ。ああ、その書類は不要です。……さん?会わせるわけないでしょう、白澤さん、いえ白豚さん」

「やった!オッケーってことでいーですねっ……白豚?」

――何にせよやったぜぇ~~ついでに宮中の特ダネ拾って報道部に叩き売ってやらぁ。何せ報道部の連中……報道部の連中……


『よう小判。最近どうだ、まだゴシップやってんの?俺?俺は秦広王の独占インタビュー。お前は?え?ピーチ・マキ?ああ、あのビミョーな新人アイドルね、お疲れぇ~い』
↑※スコティッシュフォールド


「ニ"ャア"ア"ア"ア"ア"ア"」
↑※雑種

「どうしました、サカリですか」
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