第5章 【獄卒大運動会】
その頃の――
「……よし、一番乗り…お題は……」
ペラッと紙をめくってきょろきょろしているうちに他の走者もやって来て紙を手に取る。
「ええ!?何コレ」
「やだーーッ」
そこには『苦手な先輩』や『私服が残念な上司』など罰ゲームまがいのお題が書いてあった。
<<今年の運動会は全体を通して精神的負担を伴います。さあ、はりきって…>>
「鬼灯さん……来て」
ぐい、と引っ張り鬼灯を本部席から出す。
そして、それに一番早くくいついたのは――
――え、ええええ!?ちょっと待って、借り物競走でこの流れが来たらもうアレしかないでしょ!!なんで僕じゃなくてアイツなの!?
もちろん白澤様だった。
がっくり落ち込んでいた白澤だったが、がこちらへ向かっているのに気付き、顔を上げる。
「白澤様も……来て?」
「「…………はい?」」
「ちょっと待って下さいさん」
「お題、なんて書いてあったの?」
「……コレ」