第5章 【獄卒大運動会】
「諸君、今年もこの大会がやってきました。獄卒大運動会。新卒も先輩も一丸となって楽しんでください」
閻魔大王のスピーチが終わり、ぱとぱちとまばらな拍手がおこる。
「さーて、あとはゆっくり観戦しよう。今年は鬼灯君が大会委員長だっけ?」
「はい。まあ、この大会も今年で100回目。ベテランは飽きていると思うので一工夫加えるのに苦労しました」
「本当?どんなのだろ、楽しみ」
「『スポーツは筋肉』と思ってる方も多いですからね。そこから見直しました」
<<第一種目、借り物競走>>
「ヨーイ…ドン!!」
ズガァァン
<<さぁ始まりました、注目の第一種目!>>
「どうでもいいけど何あのスタート合図……」
「生ぬるいライカンピストルはやめてバズーカにしました。迫力あるでしょう」
<<おやおや何名かは音にびっくりして腰が抜けた模様です。獄卒がそんなことでどうするんですか>>
「厳しいなこの大会!?君に任せて大丈夫かな!?」
「ここは地獄なんですよ。この機会にヌルい奴は叩き直します」