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名もない物語

第4章 【三匹、もとい一人が逝く!】



世界が、反転した。

――鬼灯さんの、匂い…

気が付けばは手首を掴まれ寝台に押し倒されていた。

「…まったく貴女は……寝ている男の部屋に入り込み安易に近づくなど…無防備にもほどがあります。少しは…」

「髪……ぼさぼさ…」

「…………はい?」

こんな状況だというのに鬼灯の髪を手ですく。

ハァ、と鬼灯がため息をつく。

「貴女にこの状況を理解しろというのが無理でしたね」

――こういう方向はからっきしですからね。

「?……鬼灯さん?」

「…目が冴えてしまいました。何か用ですか?」

「…ううん……もう昼だから、起こしに来ただけ」

「そうですか…………?というか、鍵はどうしたんですか?閉めていたはずですけど」

「大王に。……入る許可も」

「…………」

「…鬼灯さん……?」

――あのクソ大王ッッ!!!





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