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曇った空の恋の話【第5人格】

第25章 ルカ編


やっと着いた。

早く寝かせてあげよう。

腕の中から夏葉を降ろそうとすると、夏葉は僕を抱き締める腕にグッと力を込めた。

「わっ…」

「一緒に寝るの~」

酔っているのか、寝ぼけているのか、あるいは両方か。

普段の夏葉は絶対にこんなこと言わない。

「…分かったよ。じゃあ、寝っ転がるからもう少し詰めて?」

「ん…」

ごろんと寝返りを打つ夏葉。

可愛いなぁ。

「るか、好きだよ~」

これも、酔った勢いなのだろう。

…好きな人からの告白は酔った状態かぁ。

本音なら嬉しいんだけどな。

「ルカ、ちゅーしよ?」

「……いいよ」

唇が触れるだけのキスをする。

「やだ」

「え?」

首をグイ、と引き寄せられ、夏葉から唇をつけてくる。

舌が、口の中に入ってきた。

「…ん……」

僕がそれに大人しく応じると、夏葉はまだ足りないとでも言うように、さらに深いキスをしてきた。

「んっ…!」

誰かとこんなキスをするなんて、初めてだ。どう対応すればいいのかが分からない。

「ねぇ、えっちなことしよぉ…?」
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