第6章 まさかの展開
ナワーブの部屋について、丁度疲れていたのでベッドにダイブする。
「あぁぁ~……寝っ転がれる幸せを今改めて知ったわぁー」
「なんだそれw」
ナワーブが笑いながらそう言うが、何だか笑い方がいつもと違う。なんだかうそくさい。
チラリとナワーブの方に目をやると、やはり笑っていない。何かを迷っているような表情だった。
「どーしたナワーブ?何か悩みごとか?この夏葉お姉さんに話してみ?」
「なんでお前が姉ちゃんなんだよ……どちらかと言えば俺が兄ちゃんだろ……」
「まーね。」
何となく空気が和らいだことに安心した。良かった、ナワーブもツッコミを入れるだけの余裕はあったみたいだ。
すると、ナワーブが意を決したようにこう言った。
「夏葉!好きだ…!そ、その、もし良ければ、俺と付き合って下さい……」
最後ら辺自信を無くしたようにごにょごにょとした口調になる。私はその告白を受けて、かなり複雑な気持ちになった。
私はイライのことが好きで、今日の夜告白をしようとしていた。けれど、今こうして告白を受けた。
イライのことが好きなら断ればいいと思うかもしれない。が……。ナワーブに告白されて、自分の気持ちが分からなくなったのだ。私はもともと、親友→恋愛感情に発展、といった恋愛の仕方だから、友人的な好きと恋愛的な好きが似ているのだ。
それに、私の初恋はイライだったと言っても過言ではないので、まともな恋愛経験がない。だから、恋愛感情というものをよくわかっていなかったのだ。
「んっとね……ちょっと考えさせてくれるとありがたいかな。いい?」
「あ、あぁ。夏葉、ごめんな。急に呼び出してこんなこと……。」
「大丈夫。じゃあ、ちょっと人に用事が出来たから私行くね。返事は……考えとく。」
「おう!」
ナワーブはいつも通りの笑顔で見送ってくれた。立ち直りの早さだけは人の倍以上だよな…。
それよりも、イライに夜の呼び出しはキャンセルしておかなくちゃ。ナワーブの告白の答えが決まってからだ。