第6章 まさかの展開
私はイライの部屋まで走ってきた。今日は試合の予定は無さそうだったし、部屋に居るだろう。
外を見てみるよ、朝は曇り空だった空が泣いていた。
雨が降っているし、さすがに庭にはいないだろう。
部屋のドアを三回ノックする。すると、中からイライとあと一人女性の声がした。
「フィオナさん、誰かが来たので退いてください。」
「ええー、いいじゃないのぉ。私と来客のどっちが大事なのぉ?」
「いいからどいてください」
フィオナが不機嫌そうに「はぁーい」と言う声が聞こえた。どいたのだろう。
ノックからしばらくしてイライが出てきた。
「遅れてすみません……って、夏葉か。待たせてごめんね。どうしたの?」
「……フィオナさんと何してたの?」
「え?」
「だから、フィオナさんとなにしてたの!」
「何もしていないよ。ただ、試合から帰って来たら彼女が居たんだ。それより、どうしたんだい?用があるっぽいけど。」
私はイライの話していたことが本当かどうか疑いつつも、用件を話した。
「今日の夜に呼び出したでしょ?あれ、やっぱ中止!そんで、その代わりナワーブとイライと私でお泊まり会したいんだけど……空いてる?」
「あぁ、空いているよ。了解。時間は変わらずでいいんだよね?」
「うん。じゃあ、それだけ。ばいばい。フィオナさんとえっちなことすんなよ!?」
「しないよ!?」
私はじゃあねと言って、すぐにその場を立ち去った。夕食の時にでも、ナワーブを誘おう。まぁ、拒否権はないけど。
「ふぁ~……ねむ…寝よう…」
散々走り回ったので疲れてしまった。夕食の時間まで、少し寝よう。