第25章 ルカ編
なんか、おんぶしてほしい気分。
「ルカ、おんぶ」
「おんぶ?いいよ。…夏葉は昔っから、甘えん坊だよね」
「……うるさい」
ルカがしゃがんでくれたので、それに乗る。
「わっ……」
「ふふ。昔よりは安定感あるでしょ?」
「高い……怖い…っ」
必死にルカにしがみつく。
「落とさないから大丈夫だよ」
そう言って笑うルカ。
なんか落としそうだから怖いんだよなぁ。
確かに昔よりは安定感あるけど、ひょろひょろなのは変わんないし。
「夏葉、ちょっと首絞めないで……」
「あっ、えっ!?ごめん!!」
あまりにも力を入れすぎて、首を絞めてしまっていたようだ。
「ドア開けて」
目の前にはルカの部屋があった。
「歩くのはや……手届かない」
ルカがかがんで、届くようにしてくれる。
「ありがと」
ノブを捻って、そのまま押す。
少しギイ、と音がするが、開かない。
「あれ?」
「夏葉、ちょっと揺れるからちゃんと掴んで」
分かった、と答えてぎゅっと背中を掴む。
それを確認したルカは、思いっきりドアを蹴飛ばした。
「え!?」
「たまに開かなくなるから、こうやって強引に開けるんだ。さあ、入って」
ルカの背中から降りて、地に足を着ける。
「お邪魔します」
あれ、なんでだろう。朝より散らかってる。
「ごめん、色々あるんだ。あ、これこれ」
ルカの手には、設計図通りの箱の様なものが置かれていた。
「こんな感じなんだ」
「ううん、改良版がこっち」
「最初から出せよ」