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曇った空の恋の話【第5人格】

第25章 ルカ編


「お前ら本当に仲良いな」

ナワーブとイライに言われる。

「そんなことないと思うけど……」

「俺と二人きりでお茶とか出来るか?部屋に二人きりになれるか?」

「別になれるよ。変なこと考えてないんだったら」

「…夏葉、行くよ。ごめん、急いでるから」

「ルカ?急ぎなの?」

無視して私の手を引いて進むルカ。

「おーい、ルカ~?」

反応してくれない。

「むぅ……」

大人しくルカについていく。

途中、何も無いところでこけた。

「ひぁっ!?」

「夏葉!?」

ルカが支えてくれて、なんとか痛い思いはしなくて済んだ。

「ありがとうルカ」

「ごめん、夏葉には歩くの少し早かったよね。…ちょっとごめん」

ルカに、ひょいとお姫様抱っこされる。

「え!?」

「言ったでしょ?急ぎだって」

急ぎってマジだったのか。

「なにするの?」

「まずは少し機械を見てもらって、そのあとさっき言ってた茶だ。夏葉と二人きりでゆっくり出来る時間なんてなかなか無いからね」

そう言って、私に微笑むルカ。

カッコいいと思ってしまったのはここだけの話である。

「別にそんな急がなくても、お茶とか機械いじりとかだったらいつでもつきあうよ?お茶も機械も嫌いじゃないし」

「……ほんと?」

「うん」

私が頷くと、ルカは嬉しそうに言った。

「ありがとう!じゃあ、茶は出来れば外が暗くなったら庭でする、という形でいいかい?」

私は夜や夜中に外に出るのが好きでね、と付け足す。

「いいよ」

「ありがとう」

そう言って。

おでこにキスをされる。

「!?」

「ふふ。この程度で驚くのか、夏葉も。可愛いな」

「か、からかうなぁぁっ!!」
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