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曇った空の恋の話【第5人格】

第25章 ルカ編


「そうだルカ、あとで一緒に庭でお茶でもしないか?」

「え?……いいの?」

「私がお前を誘ってるんだよ。まぁ、必然的に二人きりになってしまうが」

「…っ!お茶したい!!」

「じゃあ決まりだ」

本当は、別にお茶じゃなくても良かった。ただ、ルカを少しでも休ませたいと思っただけだ。

「夏葉もやっと私の気持ちを分かってくれたんだね…!」

「ナニイッテルノカチョットワカンナイ」

「だ、大丈夫?補聴器作ろうか?」

ネタだってば。それに、補聴器を作ってもらうなら絶対にトレイシーに頼む。なぜなら。

「ルカ、補聴器作ったところでルカの声しか聞こえないようにするでしょ」

「ははは、バレたか」

このヤンヘラめ、などと言いながら、朝食をとりおわる。

「ご馳走さまでした」

どっからかお粗末さーんと聞こえるが、無視を決め込む。

「あぁ、いいよ夏葉さん。僕が洗い物するから」

私が洗い物をしようとすると、ラック君が代わってくれた。

やっさしいな。

「ラック君ありがとう。でもさすがに悪いから、手伝うよ。なにすればいい?」

「あー、じゃあ……洗った食器を拭いてくれるかな?」

「もちのろん!」

後ろから殺気混じりの視線を感じるけど、無視無視。

「洗い物終わったよ。ありがとう夏葉さん」

「いえいえ、だよ!あと、名前にさんってつけなくていいよ。夏葉って呼んで!!」

「わぁっ!…夏葉、ありがとう!」

あぁ、ラック君と出会えた私が一番のラックヒューマン(???)

幸せ人間ってなんだよ。そのままの意味か?

「夏葉」

後ろから声をかけられる。この声はルカだ。

「なに?」

振り向こうとした瞬間、抱き締められた。

「……へっ!?」

「夏葉が他の男と話しているのは、なんだか気にくわないな。もう終わっただろう?私の部屋に一度来てくれないか?」

「んぁ?良いけど…なにすんの?」

「さっき見せた機械のデザインはもう形にしてあってね。あとはどうすればいいかーとか色々聞きたいんだ」

そういうことか。なんとなく嫌な予感がしたけど、気のせいだったんだな。

「おー良いよ。行こう」
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