第4章 試合
「暗号機寸止め完了!」
チャットでそう送られてきたので、一度ダウンすることにした。
私はわざとらしく板裏待機をした。そして、ジョゼフが板など無視して入ってくる、と先読みした。案の定ジョゼフは私を攻撃するために板を通り抜けてきた。が、まさかのミスで空振りをしてしまったようだった。
(おいマジかよジョゼフ……。焦るのは分かるけど、冷静になれよ…。)
せっかくなので私が別のポジションまで逃げてやろうとすると、ジョゼフが裏向きカードで特質を変えた。
(あー、やばい、私だけでも絶対に殺すマンになってる……。)
とりあえず、わざとだとバレない様にしながらもわざとしゃがんで窓枠を乗り越える。恐怖の一撃を貰う。
「解読に集中して!」
ここでやっと通電した。真ん中でチェイスをしているため、全員北側のゲートに向かっている。これで墓場が空いた!
私は中央で何とか板を当てて、一度レッドカーペットでチェイスをしたあと墓場に向かった。するとそこには運よくハッチがあった。
「早く逃げて!」
そう伝えるとみんな出ていったので、ハッチが開いた。けれど、ジョゼフもそう簡単にハッチににいかせてくれるはずがない。
ハッチ付近にジョゼフが張りつくようになったので、狙いを定めて猟銃を撃った。うまく当たり、スタンしてくれた。
「今のうちに……」
〈シャキーン!!〉
「はっ!?」
ジョゼフは、裏向きカードでまさかの、興奮を積んできていた。嘘やん……絶対巡視者か鬼没の二択やん……もしかして、これを狙ってた?
這いずって何とかハッチに向かえないかと思ったが、結局無理で持ち上げられてしまった。
もうここから逃げ道は無かったので、大人しく投降した。