第19章 ノートン君との恋のお話
「ふぅ、たくさん食べた!」
「夏葉がご飯を美味しそうに食べるから僕たちも楽しく食べられたよ。…さて、お風呂にでも入ってこようかな。」
「あー、私も入ろ。入り終わったらノートンさんの部屋に行ってもいい?」
ノートンさんは頷いて、夏葉が来るなら、と部屋のシャワーで浴びることにしたらしい。
私は自分の部屋に着替えを取りに行くことにした。
「ねぇ、夏葉。」
後ろから声をかけられて振り向いてみると、そこには少し怯えた様子のトレイシーがいた。
「え、トレイシー?顔色悪いよ?大丈夫?」
「僕は大丈夫…。夏葉、マーサとウィラとフィオナには気をつけて!」
ノートンさんにも言われたな。何でだろう。
「どうして?」
「あの三人、ノートンに気があったみたいで…。それでね、あの三人はノートンが夏葉のことが好きだって知ってて、夏葉を少しでもノートンから遠ざけるために断食って言って夏葉とノートンが関わる時間を減らそうとしたんだよ。」
どうやらトレイシーによると、あの三人は私とノートンが手を繋いで食堂に向かったあとに大激怒していたらしい。あれ…?思ってた以上に面倒くさいことになったかも?
「分かった。気を付けるね。ありがとうトレイシー。私、自分の部屋でお風呂入った方がいいかな?」
「うん。その方がいい。」
私は再度トレイシーにお礼を言って自分の部屋へと向かった。