第19章 ノートン君との恋のお話
部屋を出た瞬間、マーサとウィラとトレイシーとフィオナに捕まった。
「ちょっと夏葉!!貴女は監視をはずした瞬間これなんだから…長話して!また監視を付けるわよ?」
「違うのフィオナ!ノートンさんが部屋に入ってって言ったから入ってお話してたの!」
「でも、かなりの時間話してたけど平気なの?」
色々と話しているとノートンさんが部屋から出てきた。あ、そういえばここノートンさんの部屋の真ん前だ。
ノートンさんは騒ぐ私たちをみて、怪訝そうな顔をして言った。
「僕の部屋の前で騒がないでくれない?煩い。……夏葉、一緒にご飯食べに行こうか。」
「は、はい」
ノートンさんが私の手を握って食堂まで誘導する。やばい、フィオナたちになんて言われるかな…。
「何を騒いでたの?」
ノートンさんが聞いてくる。誤解の無いように伝えたいな。
「んっとね、私がノートンさんに嫌われてるって思ってた時あったじゃん?あの時フィオナに相談したら、話しかけすぎだからあまり話さないようにって、色々あってああなった。」
「よくわからないけど…喧嘩とかではないね?もしもトレイシーを除いたあの三人に何かされたら僕に言ってね。」
「分かった!」
そのあとはウィリアムとノートンさんとナワーブと一緒にご飯を食べた。三人とも私を笑わせようとしてくれた。実際、涙が出るほど大笑いした。こんなに楽しいご飯は初めてだ、と思いながらハンバーグの美味しさを噛み締めていた。
トレイシーを除いた三人に何かされたらって…何かあるのかな。何だか不安になってきたぞ。