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曇った空の恋の話【第5人格】

第19章 ノートン君との恋のお話


「もしも嫌だって言われたら?」

私はこくりと頷く。すると、まさかの…衝撃の答えが返ってきた。

「まず体を拘束して、僕しか知らない部屋に閉じ込めるよ。そして、片方の命が尽きるか、夏葉が俺の事を好きだって言うまで離さない」

「サイコパス…」

「んで、結局答えは?いいの?だめなの?」

「勿論OKだよ。ノートンさんの意外な一面を知れて…。幸せです。」

「拘束して閉じ込めるっていうのは嘘だよ。あれ、信じてたの?」

今思ってみればあんなの頭のおかしい作り話のように思える。でも、何だかノートンさんならやりかねない気がした。

というより、騙された私が恥ずかしい…。どうやって誤魔化そう…あ、そうだ!!!

「騙された回数は人を信じた回数。私は命に危険がない限り人に騙される側の人生を歩みたい」

「う、うん」

あ、明らかに引かれたか意味理解してないや。まぁ、それはいいとして、さ?

「本当に私でいいの?ノートンさんモテるし、私なんかより可愛い子も沢山…。」

「夏葉がいいんだよ。」

「…っ!」

さらりと言うノートンさんにドキリとする。この人、好き!!!

「ノートンさん、私から離れていかないでね?ずっと、一緒に居てね?」

「勿論。なんならこっちの台詞だよ。夏葉、凄いモテてるんだから。気づいてないかもだけど、裏で男サバイバー全員で夏葉のこと褒めちぎってるからね?」

「…?私はそう簡単に人に心を開かないので大丈夫です!!」

「ならいーけどね。じゃあ…また今夜ここに来てよ。」

「はい!分かりました!」

意味を理解していなかった私は、またノートンさんの部屋に来れる、なんて能天気な事を考えながら外に出た。
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