第19章 ノートン君との恋のお話
「もしも嫌だって言われたら?」
私はこくりと頷く。すると、まさかの…衝撃の答えが返ってきた。
「まず体を拘束して、僕しか知らない部屋に閉じ込めるよ。そして、片方の命が尽きるか、夏葉が俺の事を好きだって言うまで離さない」
「サイコパス…」
「んで、結局答えは?いいの?だめなの?」
「勿論OKだよ。ノートンさんの意外な一面を知れて…。幸せです。」
「拘束して閉じ込めるっていうのは嘘だよ。あれ、信じてたの?」
今思ってみればあんなの頭のおかしい作り話のように思える。でも、何だかノートンさんならやりかねない気がした。
というより、騙された私が恥ずかしい…。どうやって誤魔化そう…あ、そうだ!!!
「騙された回数は人を信じた回数。私は命に危険がない限り人に騙される側の人生を歩みたい」
「う、うん」
あ、明らかに引かれたか意味理解してないや。まぁ、それはいいとして、さ?
「本当に私でいいの?ノートンさんモテるし、私なんかより可愛い子も沢山…。」
「夏葉がいいんだよ。」
「…っ!」
さらりと言うノートンさんにドキリとする。この人、好き!!!
「ノートンさん、私から離れていかないでね?ずっと、一緒に居てね?」
「勿論。なんならこっちの台詞だよ。夏葉、凄いモテてるんだから。気づいてないかもだけど、裏で男サバイバー全員で夏葉のこと褒めちぎってるからね?」
「…?私はそう簡単に人に心を開かないので大丈夫です!!」
「ならいーけどね。じゃあ…また今夜ここに来てよ。」
「はい!分かりました!」
意味を理解していなかった私は、またノートンさんの部屋に来れる、なんて能天気な事を考えながら外に出た。