第19章 ノートン君との恋のお話
一週間後
私は沢山ノートンさんに話しかけられたが、ことごとくスルーした。そうしないとフィオナにボコられそうで怖いからネ☆
私のノートンへの対応を見て、みんなはもう一人でも大丈夫ね、と見張りを付けなくなった。これで自由だ。一つを除いて。
「ねぇ、夏葉。」
「…」
私はなるべく目を合わせないようにそそくさとその場を離れようとした。私だって無視はしたくないんだよ!!でもごめんねノートンさんっ!
「ねぇって言ってるんだけど…?」
ノートンさんが私の目の前に立ち塞がる。私は横を通ろうとしたが、腕を掴まれてしまった。
「や、やめてください…」
「夏葉、最近僕に話しかけてこないけど、なにかあるの?」
「何だとしても、ノートンさん、私のこと嫌いだと思ってたでしょ?話しかけられなくなって安心してるんじゃないの…?邪魔な奴がいなくなったって」
必死に涙を押さえながら言う。油断したら色々と大泣きしてしまいそうだ。
「…僕は君のことを嫌いだと思ったことはないよ。本音を言うと、話しかけられ過ぎてみんなに変な噂を立てられて嫌だっただけなんだ。」
「少なくとも私との噂は嫌だったんでしょ?もう、無理に話しかけなくていい…」
私が話終わる前に、ノートンさんが私のことを抱き締めた。
これで私は涙腺崩壊してしまい、泣き出してしまった。