第19章 ノートン君との恋のお話
断食となった次の日、マーサが私に付き添うことになった。明日はトレイシーらしい。
私は食堂でマーサと待ち合わせ(?)した。
「夏葉、まず貴女はノートンに話しかけすぎだから、何があっても自分からはノートンに話しかけないこと。仮に、話しかけられたとしても話はすぐ終わらせること。って、フィオナが言ってたわ」
おのれフィオナ…なんでノートンさんに話しかけられてもすぐ終わらせなくちゃならんのだ…(涙)
「まぁ、頑張って。あと、やむを得ない事情がないかぎりノートンとは同じ空間に居ないように、とも言ってたわよ。」
「極端なまでに徹底してるね!?」
ノートンさんががちゃりと食堂のドアを開ける。すると、何故か真っ先に私の方を向いた。
ノートンさんがこちらに向かって歩いてくる。あ、これ多分私じゃなくてマーサに用があるな。
「ねぇ、夏葉。今空いてる?試合にいく人が足りなくて困ってるんだ。出来れば君に来てほしい。」
うわぁぁ、私に用事だった!しかも、試合一緒に来てほしいって!!ノートンさんから話しかけてきて来たぁぁぁ!!
「い、行きたい…」
「あら、ごめんねノートン。夏葉はこれから私とカスタムの予定があるの。新マップの探索。他を当たって。じゃあね。」
行きたい、と言おうとした私を止めるべく、マーサが適当な嘘をつく。うぅぅ、酷いよぉ…。
「そっか。ごめんね。じゃあ他を当たるよ。」
ノートンさんが最後私のことを鋭い視線で見てきた。え、試合に行けないから更に嫌われた…?
あぁぁ、この断食期間っていつまでだろう。