第4章 試合
「イライ、ここを回そう。」
「あぁ。」
そのまま二人で解読を始める。早く解読を終わらせようと、二人とも無言で黙々と解読をする。
そこに。
瞬間移動でジョゼフがやって来た。そして、反応に遅れたイライに刃を振りかざす。
「危ない!!!」
体は今すぐ逃げろと訴えていたが、解読の遅い私が解読に回ったって終わるわけがない。ジョゼフも、さすがにこの戦況なら負傷した私を渋々追うだろう。今回は右下だけど……なんとかなるっしょ!!
「おい、ジョゼフ。こっちだぞ。」
そう言って暗号機のない方向へ逃げる。ここで私が時間を稼げれば、余裕で三逃げ、良くて四逃げが出来るだろう。
「っと、その前に。」
「私を助けなくていい!」
イライは心配性だから、チェイス中の私や味方に梟を先付けする。けれど、今日はイライと同じ試合なんだからカッコ悪いところは見せたくなかった。絶対に暗号機が全部あがるまでチェイスするんだ。
そこでだ。今回ハンターは瞬間移動を積んできている。通電後に瞬間移動でゲートまで行ってしまったら、確実に一人は死ぬだろう。だから、私は基本的に梟は要らないと伝えている。