第19章 ノートン君との恋のお話
「あなた…今日何回ノートンに話しかけた?」
「数えてないけど、一日に百回以上は話しかけるようにしてる!」
「夏葉、バカなの?」
フィオナからではなく、隣で聞いていたトレイシーにバカと言われて、私の屈強な豆腐メンタルはプリプリだった。(???)
「僕は恋愛とかはよくわからないけどさ…一日に百回もウィリアムに話しかけられたりしたら僕でも引くよ…。」
「えぇ…じゃあ、一日に何回話しかければ良いの?」
「貴女は今日から断食。ノートン成分を捕獲することを禁止します。」
「うっそ!?なんで!?おかしいよ!!私死んじゃう!!トレイシーは私の味方だよね?ね?」
「ごめん、僕も夏葉は今日から断食したほうが良いと思う。話しかけすぎ。暇潰しの相手は、僕たちかそれ以外の人でしておきな。」
「トレイシー酷いよぉぉぉ(泣)」
「夏葉。最初の数日間…今からは、私とウィラとトレイシーとマーサの誰かと行動してもらうわ。貴女の場合当たり前のようにノートンのところへ行きそうだからね。ウィラとマーサには私から事情を説明しておくわ。」
私は目から滝の如く涙を流しながら頷いた。しょうがない、これもノートンさんの気を引くためなんだから…っ!
「ウィリアム。一緒に試合に行こう。」
丁度最悪と言っていいのか最高と言っていいのか分からないタイミングでノートンさんが来た。心拍数えぐいヤバイ!!
ノートンさんは私を見ると、あからさまに嫌そうな顔をした。私は、普段なら、「ノートンさん、試合ですか?わたしも行っちゃダメですか!?」などとなっていただろう。が。
無表情を保って目を逸らした。よく頑張った私…っ!偉いぞ!
ノートンさんが不思議そうに私を見ているのが視線だけで分かる。伊達にこの5ヵ月間ストーカーしていない。
ノートンさんはそのまま不思議そうにしながらウィリアムと一緒に食堂を出ていった。
おいウィリアム、そこ代われよ(怒)
「夏葉、よく頑張ったわね!成長したわ!この調子で頑張っていきましょう!」
「…はい。(号泣)」
こうして、私の過酷な断食が始まった。