第16章 ナワーブと一緒END
10分後
「そろそろ気は済んだかい夏葉さんよぉ」
「まだ降りたくはないけど……お風呂入んなくちゃだな。……一緒に入ろー。」
私がそう言ってナワーブの方を向くと、彼は顔を真っ赤にしてひたすら首を横にふっていた。
「やだ?」
「い、や、やだとかじゃなくて…さ?……一緒に入ろうは誰でも驚くだろ……。」
「そーかな?」
「お前、誰にでもそんな事言ってんの?」
「私の美しい体をそんな簡単に晒すわけないでしょ?ナワーブと女子だけだよ。行こー?」
ナワーブの手を引いてお風呂場までつれて来る。が、ナワーブは隅っこでしゃがみこんでいるだけだ。
「ねー、早く入ろーよ?」
「いや……こないだ告白した通り、俺はお前を女として見てるんだぞ?そこら辺にいる汚れた男と同じだとしても良いのか?」
「………ナワーブになら別に何されても良いし…」
「え?」
さすがにこれには私も返答に困って、話題を別の方向に変えることにした。
「……~!!どーだっていいから早く脱げ~!!」
「うわ、ちょっ、夏葉!?」
無理やりナワーブの服を脱がせ、風呂に入らざるを得ない空気にする。
「ちょ……お前ほんとにさぁ…」
「私に告白をしてきたって事は、そういう関係になっても良いってことでしょ?」
ナワーブが口をつぐんでしまったので、腕を引っ張って風呂場に入れる。
「お前、無理やりすぎ……」
「嫌ならフッてよ。突き放してよ。………ナワーブ、好き。」
そう言って、ナワーブの顔を見ないように抱きつく。心拍数が跳ね上がっているのが分かった。
しばらくの間そうしていたが、ナワーブは私を拒まなかった。そっと私の頭を引き寄せ、そのままでいてくれた。
「その対応は……告白OKと受け取っていいのかな?」
「っ!……あぁ…」
「照れ屋さんだなぁ。でも、ナワーブ、ほんとにいいの?私なんかで。」
「夏葉じゃないと嫌なんだよ……。俺の側から離れたら、許さないからな。」
「うん。改めて、よろしくね、ナワーブ。」
「ああ」