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曇った空の恋の話【第5人格】

第16章 ナワーブと一緒END


 最後に二人で手を合わせて「ごちそうさまでした」と言って食器を片付ける。食器洗いをしていたマーサの代わりにナワーブが食器洗いを始めて、「先に部屋行ってて。」と言った。
 だが、ナワーブと一緒に部屋に行きたかったので、食器洗いを手伝うことにした。
 数十分後
「終わったね。お疲れ様。じゃあ、ナワーブの部屋いこっか。」
「あぁ。」
 その時、私は丁度足をひねって転んでしまった。
「いったぁ……」
 どうやら、運が悪いことに捻挫をしてしまったようだ。
「大丈夫か?立てるか?」
「ごめん、とても申し訳ないんだけど、エミリー先生のところまで運んでくれると嬉しい。捻挫したっぽい。」
 ナワーブは、「ツイてねーな。ドンマイ。」というと、私をお姫様抱っこした。
「いやいやいやいや、お姫様抱っこじゃなくていいから!!おんぶとかで大丈夫だから!!!」
「持ち方変えるの面倒だからこれでいいや」
 あぁぁ……女子にも男子にも見られてるぅぅ……。
 医務室についたが、エミリー先生はいなかった。お風呂だろう。
「ナワーブごめん、ありがとー。私ちょっとここでエミリー待ってるから、先に行ってて。」
 すると、ナワーブが少しだけムスッとしながら言った。
「お前、俺と一緒に部屋行きたくて皿洗い手伝ってくれたんだろ。それに、その足でどうやって俺の部屋まで来るんだよ。こっから遠い方なのに。」
「うぅ……」
「まぁ、医務室にダイアーがいないなら、ちょい俺足冷やすタオル作って来るわ。ここで座って待ってろ。」
 ナワーブがそう言って部屋を出ていった。本当に、ナワーブはいつでもお兄ちゃんみたいだ。
 五分後
「持ってきたぞ。とは言っても本当に氷水でタオル濡らして絞っただけだけどな。足出せ。」
「ん。」
 足を出すと、ナワーブが冷たいタオルを足首に巻いた。
「ナワーブ、冷たいよ」
「ぬるいの巻いたって意味ないだろ。…ほい、巻けたぞ。じゃあ、今度こそ部屋いくか。ほい、乗れ。」
 ナワーブがしゃがんで、おんぶしやすい体勢になる。ナワーブの背中は広くて、安心感があった。
「ん……ナワーブの背中好き」
「はいはいどーも。ドア開けて。」
 ナワーブの部屋のドアを開けて、入っていく。ナワーブは私の事を降ろそうとベッドの方でしゃがむが、降りたくないのでナワーブにしがみついた。ナワーブはなにも言わずにおんぶしてくれていた。
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