第14章 イライと一緒END
ーーーーーー半年後ーーーーー
私は、いつものようにイライのお見舞いに行く。あの日から、私は毎日医務室で何時間も過ごすようになった。ご飯も、大体はエミリーの許可をもらって医務室で食べていた。
イライの目隠しは、眠っていてもはずさない。だから、私はイライの目隠しを作ることを趣味にした。どうせ、私は大したものは作れないから、せめて簡単で日常でも使えるような物を、といいことだ。今のうちに練習しておかないとね。
イライの相棒のポッポちゃんが私の肩に乗ってくる。イライが眠り始めて、ポッポちゃんのお世話を私がするようになってからなんかなついてくれた。前まではポッポちゃんがどんな生活をしているのかすら分からなかったが、ある程度の時間を外で過ごして他の鳥たちと仲良さげに絡んでいるだけだった。
そういえば、最初の1ヶ月、本当に元気がないときに私をポッポちゃんの秘密基地に連れてってくれたっけ。
ポッポちゃんは、私の恩人だ。
ポッポちゃんを撫でていたらポッポちゃん自ら顔を擦り寄せてきてくれた。それが嬉しくて、もうおやつをあげた後だったけれど、ドライフルーツをあげた。
「……イライ~」
名前を呼んでみる。が、当然返事は無いように思えた。
「ホー ホー」
今まで一度も鳴いたことのないポッポちゃんが鳴いたのだ。そして、イライの髪の毛をくちばしでくわえては引っ張ってするりと髪の毛がくちばしから抜け出し……とまあ、これをずっと繰り返していた。
「可愛いなぁ。」
なんて言いながら眺めていると、イライが急に動いて、私を抱き締めた。
「ふぇ!?」
「ふふ……夏葉、ビックリした?…おはよう。あと、彼女……梟の世話をありがとう。…って、わっ!?」
私は大泣きした。イライの声、優しい抱き方。何も、変わらない。それがとてもとても嬉しかった。