第14章 イライと一緒END
「や、誰か助けて!!」
フィオナが、必死に私を止めようと体を押さえる。
「夏葉、流石に駄目よ!落ち着いて!」
「ロビー君少しお願い。フィオナ、ごめん。」
ロビー君は私を押さえていたフィオナを剥がして、抱きついて動けないようにしていた。ゴメンねフィオナ、流石に器は広い方だとおもう私でも、限界だわ。
マーサのことはサバイバーたちの中でも数少ない心から信じている人だった。なのに…愛する人を傷つけるという形で裏切られたのだ。理不尽な怒りなら許してやれた。誰にでも間違いや感情を制御出来なくなることがある。
けれど…彼女は、私の許せる範囲を大幅に越えてしまった。
「マーサ…人生最後の言葉だ。何が良い?」
「ご、ごめんなさ、許して…殺さないで…っ!何でもしますからぁっ!」
私はそれだけを聞くと、斧を彼女に当たらないように降り下ろした。丁度上手く、斧はマーサの横をストンと落ちていった。
「いいよ。殺さないであげるよ。何でも言うことを聞くんでしょ?言うことをきく数は無制限ね?」
マーサが顔を涙で濡らしながら頷く。私は、「だったら殺さないであげる。許す許さないは、イライ次第だね。イライは優しいから許すだろうけど。」
私は、ロビー君に斧を貸してもらったお礼を告げて、斧を返した。そして、ロビー君は「また遊ぼうね!」と言って去って行った。
私はマーサの方に向き直り、髪の毛を掴んで顔を上げさせた。キレイにセットしてある髪の毛が崩れる。それも気にせずに、私は話を続けた。
「いいか?お前は今日から世間で言う犯罪者なんだ。殺人未遂、傷害罪、運が悪ければ殺人事件の犯人。その自覚を持って、これから自分の罪と向き合って生きていく事。分かった?」
マーサは歯をガチガチと鳴らしながら頷いた。私はそれを見て、マーサの頭を勢いよく落とした。
「もしもイライが起きたら、しっかりと反省して謝れよ。」
そう言うと、私は走って食堂を出て医務室へ向かった。
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マーサちゃん、マジでごめん。ロビー君も巻き込んでごめん。マジで、マーサちゃんは嫌いじゃないんだよ。銃のないマーサちゃんは幸運児より要らないとはおもったことあるけども。(一言余計)
途中マーサちゃんに不幸な役回りさちゃったけど、あと少しでイライパートがおわります!