第14章 イライと一緒END
後日。
結局イライとナワーブのごり押しの説得でお泊まり会は二人きりでやる、ということになった。そして、そのお泊まり会でどっちにするかを決めて、とも………。
お泊まり会だけで決めるのはちょっと難しいかな。と言って返事を先伸ばしにさせようとしても、「じゃあ二日間交互に俺ら二人と過ごす」という謎条件もつけられたし。。。ちなみに、一緒に過ごす時は、二人は恋人という設定で一緒にいるらしい。私はいつも通りでいいらしいけど。恋人だという設定で一緒にいれば、夏葉も付き合ったときの想像がしやすいだろう?というただの気遣いだ。
「イライ、お待たせ。ごめん、試合が長引いちゃって。」
そう言ってイライの部屋に入る。ナワーブとイライに、「俺たちの部屋の出入りは自由にして良いからな」と言われた。私も、答えを出すためには少しでも長く一緒にいたいので、そこは助かった。
お昼御飯をイライに作る、と自分から言い出したが、試合が予想以上にぐだぐだで、予定の10分長引いてしまった。さすがにこんな長引いたのは初めてだ。
「イライー?」
読んでも返事がないので、寝室のドアを開けてみる。すると。
「わぁっ!!!」
「ひぃっ!?」
イライがドアの横で待ち伏せていて、驚かせてきた。
「あー、もう……急になに…しかも着替えてないし…本当に虎に食べられたかとおもったよ」
「ん?本当に食べてあげようか?」
イライがそう言って首を噛んでくる。
(!?)
私は声にならない叫びをあげた。だって、いきなり噛まれるんだよ!?しかも、深く噛まれて痛いし……っ!
「イライ、痛い……やめて…」
「ん。ごめん。」
イライは噛むのをあっさりとやめて、自分が傷つけた所から出る血を舐め始めた。痛いけど、くすぐったい。
「くすぐったいよイライ。」
私がふふふと笑いながらそう言うと、イライも少し笑った気がした。
なんとなく、イライの着けている目隠しを見る。イライのあの青い綺麗な瞳、もう一度見たいな。
「ねぇ、イライ。」
「なんだい、夏葉。」
イライは私のおでこにキスをして言った。ここまで当たり前のようにキスをされると、誰にでも出来てしまうのではないかと不安になる。まぁ、今はいいか。
「その布、外して?」
目隠しを指差して言う。イライは少し悩んだけれど、「夏葉が外してね。」と承諾してくれた。