第13章 三角関係
結局、ナワーブとイライは今日私に関わることを禁止されシュンとしながらも、いつの間にか仲直りをしていた。
イライ、ナワーブと話せなくなると、こっちがなかなかに暇になるから本当は嫌だったけど、まあしょうがないな。イソップとエミリーはなんか大丈夫だったみたい。
今日は眩しい太陽が登った晴れだ。特にやることもないので、ロミオとジュリエッ○を持って、庭に行く。私はエマの手入れしている庭が大好きだ。お花のいい香りがするし、青い薔薇とか珍しいものもたくさん咲いていて綺麗だし。
「……ロミオとジュリエット読んでるの?」
イライの声がしたので庭の入り口からイライが入って来るのが見えた。そして、私の横に座ってくる。
「俺との接触今日は禁止されたんじゃなかったのかよ」
少し睨み付けながら言ったが、イライは笑顔を崩さずにそのままの表情で言った。
「ん?夏葉は私と話せなくて、暇になったからここに来たんじゃないのか?」
よくためらいもなく自分を持ち上げるような発言を出来るなぁなどと思いつつも、当たっているのでなにも言えないのが悔しかった。
「まぁ、あまりグイグイは行かないから安心してよ」
イライはそれだけを言うと、ただ静かに私の隣に座っていた。なにもせずに
ただ座っているだけなんて、つまらなくないのだろうか。
「ねぇ、暇じゃないの?」
私の方から話しかけたのが嬉しかったらしく、イライは微笑みながら返す。
「ん?暇じゃないよ?」
「なんで?」
「え~……なんで?…夏葉と一緒にいられるってだけで、幸せな気持ちになるんだよ。」
不覚にも、ときめいてしまった私がいた。クッソ……イライの天然ぶりは神がかってる………昨日のあの件からして、これも計算しつくされている可能性があるけどな。
私は「あっそ。」と、あえて素っ気なく返し、本を読み始める。
数分後。
イライが私の肩に寄りかかってきた。
「?」
様子を見てみると、眠っているようだった。大人しく寝させておいた方が良いだろうと思い、また本に目を向ける。その時、少し揺らしてしまったのか、イライは私の肩から頭がズレて太ももに頭が乗った。座った状態での膝枕みたいな感じだ。
なんとなくかわいいと思ったことは伏せておこう。
するとそこにナワーブがやってきた。
「…夏葉、なにしてんの……?」